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一 級 建 築 士 の DIY

このブログは業務の一端をと思っていましたがDIYのことだけ更新しています。
DIYは事務所業務と関係ありませんが、私の建築の知識を活用したDIYです。

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木造カーポート
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カーポート 1

8/11/2021

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日本の山は天然林が6割、人工林が4割と言われています。特に、戦後の日本では育生が早い杉を推奨していたらしく、人工林の4割が杉、3割がヒノキ、その他が3割です。
 杉は育生が早いぶん柔らかい木材で、横架材(横向きに使う部材で木目に対して垂直に荷重が加わる材料、梁や桁など)には不向きです。使えないわけではないのですが、他の樹種に比べると太くなってしまうのです。さらに、国産材よりも安い木材が大量に輸入されているため、国内の林業が衰退し、放置される杉の人工林が増えています。

 以前から官公庁が地場産木材の活用で学校や庁舎などの公共施設を木造化や木質化したり、近年には、民間事業系建物にも活用した事例も増えてきました。しかし、強度や耐候性などの特性の違いにより、スギよりもヒノキの需要が高いので、人工林の杉は切り出されず、手つかずになりがちです。

唐突ですが、建築士として、地場産スギを活用したいと以前から考えていました。実践するのに、条件をいくつか設定しました。

 ① 簡易的な建物で普及率が高いもの
 ② DIYでも作れる規模         

そこで、家庭用のカーポートにすることにしました。一般的にカーポートはアルミやスチールの物が主流なので、木造にすればメリットは多いはずです。
画像
5台分の車庫です。構造材をスギ材で構成し、かつ、建て方でクレーン等の重機を使わず組み立てられるように設計しようと思います。
屋根は折板葺き、水平力には鋼製ブレースを活用したシンプルなイメージで計画しています。もちろん、外壁を張ることも出来ます。

DIYに相性がいいスギ材
 DIYで建物を造るのはかなりの上級者でも困難です。その中でも構造部材の加工や組み立てでは、なかなか苦労します。例えば、代表的なのが横架材にベイマツなどの強度の高い木材にドリルで穴開けを行う際に、インパクトドライバーでは斜めに穴が開いたり、ビスを揉み込んだらビスが折れたりします。
 その点、他の構造用木材に比べてスギ材は柔らかく、軽く、比較的に加工がしやすいのです。
人力のみで建て方
 建て方は柱を立て、梁を組み合わせて、構造を作り上げていく作業です。通常の木造なら柱は人力で建てられますが、梁はクレーンを利用します。このカーポートはアルミで組むみたいに人力で梁を持ち上げて組立てたいと考えています。
 この設計では屋根を梁が支えるので、積雪荷重(1m以上の多雪区域の量を想定)は屋根から梁にかかります。普通のスギの梁ならば、ヤング係数にもよるが、105x320が必要で、スパン3.2mなら42kgになります。2人で持ち上げられますが、脚立や足場で持ち上げるのは危険な重量ですし、人数が必要になります。
 そこで、梁はラチス梁を採用します。ラチス梁なら通常の梁の1/3の重量となるように設計できるはずです。この重量なら容易に人力で持ち上げられます。
ラチス梁の組み立て
 木造のトラス梁やラチス梁の組み立ての主流はツーバイフォー材をネイルプレート接合するものです。とてもシンプルで理にかなったものですが、接合部が隠れる場所や屋内使用には適していますが、この設計には不向きです。
 今回はツーバイフォー材ではなく、地場産杉の在来工法で利用される木材でラチスを構成します。ラチス架構の接合部は屋外用接着材とビスで強度を確保できないものかと考えています。そこで、実物大模型を造り実験します。

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