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一 級 建 築 士 の DIY

このブログは業務の一端をと思っていましたがDIYのことだけ更新しています。
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建築工事の特記仕様書

16/7/2020

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標準仕様書と特記仕様書

建築工事の設計図には工事をするためのすべてが書かれているわけではありません。
工事には設計図とは別に、「標準仕様書」と「特記仕様書」というものが設計図の基礎として存在します。この2つがないと、設計図は文字だらけになって、とても読みずらいものとなります。

標準仕様書として有名なのが、
 ・日本建築学会 建築工事標準仕様書(JASS)
 ・国土交通省大臣官房官庁営繕部 公共建築工事標準仕様書 の2つです。

 他にも、民間(七会)連合協定工事請負契約約款に適合した工事共通仕様書、建築家協会監修の建築工事共通仕様書や一般的には入手できない鉄道系や住宅系の物もあったり、同じ公共工事でも東京都や横浜市など自治体独自の物や国の省庁でも独自の物があったりします。また、更新がされていないものや廃止したものとか、営繕部でも木造建築工事や解体工事だけの標準仕様書もあります。さらに、JASSは1~27まで(一部は廃版)あります。
 めっちゃあるのです。ただ、内容は重複している部分が多いのです。

 有名な2つの内の、公共建築工事標準仕様書はネーミングは公共工事用みたいですが民間工事でも使われています。もう一方のJASSは全部を使うことはなく、もっとも使われるのが、鉄筋コンクリート工事のJASS5や鉄骨工事のJASS6です。JASS5と6は仕様書として活用できる以上に建築の参考書としての存在感があります。ただ、工事現場ではそのまま通用することは少なく、例えば、工事現場で職人さんに「JASS5の仕様と違ってるからやり直して」と言っても通用しません。

近年、無料でダウンロードできるようになった公共工事標準仕様書はもっとも利用されているのは間違いないと思います。

特記仕様書は、その「標準(共通)仕様書」をベースに、さらに、個別具体に工事の仕様を記すものです。設計者は特記仕様書で建材のグレードや工法を指定したり、施工者に選択肢を与えたりしています。
 特記仕様書は設計事務所によって、独自のフォーマットを作成していたり、誰かが作ったものをアレンジして使用したりします。僕も今までに2,3回作成した覚えがあります。大手設計事務所の特記仕様書は最大でA1用紙にびっしりと10ページ以上もあるものもあります。もちろん、その対象は超大型物件になります。多くは、その半分以下であったり、2ページぐらいの物もあります。さらに、個別作成すれば、1ページでも納まります。
 図面が手書きの時代には、物件ごとに手書きしていたので、個別具体に書かれていて、1ページだけという物件も多く見られます。

COACH-LINEの特記仕様書

設計事務所を開業したのだから、特記仕様書を作成する必要があります。というか、そう思っていながら3か月が経過しました;

 何を標準仕様書とするかを迷っていたのですが、このブログを書きながら決定しました。今まで使っていた公共建築工事標準仕様書をベースにします。僕が一番最初に作成した特記仕様書は標準仕様書の前の建設省大臣官房官庁営繕部監修の建築工事共通仕様書をベースにしたものだったのですが、この時は前職の市役所ではなくJAの設計事務所に在籍していた時だったのを思い出しました。公共工事用の物ではないのですが、公共工事用の物を使っていたのです。

 ただ、公共建築工事標準仕様書に準じて工事を行うと、使えない建材が増えてきます。例えば、内装工事で使う軽量鉄骨間仕切下地(LGS)の箱スタッドは、一般に流通しているのですが、JIS規格外なので使えないのです。また、他にも同じ性能でも使えない既製品が増えてしまうので、コスト面で不利に働くことがあります。この問題はお施主さんの負担にならないように気を付けなければなりません。また、標準仕様書がある一定規模の物件を想定されて作成されていると思われるので、その部分も是正できるように特記する必要があります。

 また、多くの設計事務所はCAD上で特記仕様書を作成しているのですが、そこも、ワードやエクセルで作成することも検討材料です。

 とりあえず、新築用で非木造用の特記仕様書の作成に取り掛かります。
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